** 真夏のワインの夕べ **

アラジン・メゾンカシュカシュ ディナーワイン会
『 真夏のワインの夕べ 』

 

2009年8月
レストラン・アラジン&メゾンカシュカシュの合同ディナーワイン会を真夏の夜に二夜連続で開催しました。

   8月13日(木) ボルドーの夕べを詳しく
   8月14日(金) ブルゴーニュのお食事とワイン


8月13日(木) ボルドーの夕べ
この日お出ししたワインは以下の通りです。

(1)Milady Cremant de Bordeaux Rose Sec
ワイン名:ミラディー・クレマン・ド・ボルドー・ロゼ・セック
格付け :AOCクレマン・ド・ボルドー
生産地 :グラーブ地区
生産者 :ジャン・ルイ・バララン社
葡萄品種:カベルネ・ソービニョン100%


ワインのコメント:
フランスワインの銘醸地として名高いボルドーで造られたクレマン(発泡性ワイン)。色は鮮やかなロゼ、しっかりとした色調でプラム色も感じます。果実の甘味と酸がバランスよく、加えてカベルネ・ソーヴィニヨンの苦味があり、ボディも十分。13度で行う長期低温熟成(12-14ヶ月:瓶内二次発酵)によってこのキメ細やかな泡とすっきりした酸味が出来上がります。
クレマンについて: スパークリングワインの頂点がフランスではシャンパーニュだとすれば、それ以外をヴァン・ムスー(3気圧以上)と総称しますが、そのヴァン・ムスーの中でも特定の生産地名を名乗れるAOCは産地名の前に「クレマン」を付けます。


AOCクレマンの主な産地
▽クレマン・ド・ブルゴーニュ
▽クレマン・ド・ロワール
▽クレマン・ダルザス
▽クレマン・ド・ボルドー
▽クレマン・ド・リムー
それぞれに共通しているのは、シャンパーニュよりフレッシュ感にあふれ、軽やかなタイプであるということ。産地や品種、造り手によって様々な個性を持っているので、飲み比べてみると面白いと思います。
◆ブルゴーニュ地方で造られるクレマン・ド・ブルゴーニュはブルゴーニュ・ブランよりも意外と手軽な価格で手に入る泡。バランス感覚に優れたものが多く、酸がフレッシュでソフトなので重宝しそうな1本です。
◆また爽やか系のタイプがいいなら、ロワール系を。軽快感も心地よく、果実のほのかな甘味も感じるので、食前はもちろん、上品な料理などと楽しめます。
◆クレマン・ド・ボルドーは、日本では見つける方がむしろ大変です。だからといって、高価なわけではありません。セミヨンやソービニョンが入ることが多いですので、また、位置的にも南の方ということもあり、適度な酸味を持ちながらも、重厚さを併せ持っているクレマンといえます。
生産者:ジャン・ルイ・バララン
造り手の「ジャン・ルイ・バララン」はグラーブに本拠地を置くワイナリー兼ネゴシアン。”クレマン・ド・ボルドー”を造り始めたのは、AOCに昇格した1990年からですが、ボルドーでは19世紀からクレマンが造られています。シャンパーニュのカーヴに条件が似ていることから、ガロンヌ川やドルドーニュ川沿岸の洞穴や、20世紀初頭に掘られたチョークを含む石灰岩の採石場が地下セラーとして使われている。30m地下にあるセラーは5ha.もあり、全工程は4km、ストックは200万本にも及ぶ。このセラーで13度で行う長期低温発酵によって、きめ細やかな泡とすっきりした酸味を実現。このクレマン・ド・ボルドーは100%自社ぶどうで造られている。

(2)“R” de Rieussec 2007 Chateau Rieussec
ワイン名:クレマン・ド・ブルゴーニュ
格付け :AOCボルドー
生産地 :フランス ボルドー地方・ソーテルヌ地区
生産者 :シャトー・リューセック(ドメイン・ラフィット・ロッチルド)
葡萄品種:セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%


ワインのコメント:
シャトー・リューセックがつくる辛口の白ワイン。20%をオークの新樽で、80%をステンレスタンクにて熟成。上品でほどよい樽香、同時にブドウの持つフレッシュな果実味を大切にしています。フレッシュさと同時に、ライチやマンゴー、パイナップル等のトロピカルフルーツが感じられるノーズ。ソーヴィニヨン・ブランの特徴が出たアフター。そして時間が経つにつれ柑橘系の香りが現れ、エキゾチックで力強く豊かな香りが魅力的。ふくよかでさわやか、そして肉厚な味わい。バランスがよく余韻も長く続く。今はフレッシュさが持ち味のお手軽ワインですが、少しの熟成を待てばさらに複雑で奥行きのあるワインに育つポテンシャルも感じます。

生産者:シャトー・リューセック(ドメイン・ラフィット・ロッチルド)

ラフィット・ロートシルトの系列であるシャトー・リューセックはソーテルヌ地区最大の、そして最良のシャトーの一つとしては同地区の一角をなしています。ブドウ畑はファルグ村とソーテルヌ村の境界に広がっており東側はシャトー・ディケムと隣接しています。総面積130ヘクタール(内90ヘクタールが葡萄畑)あり、石灰混じりの砂利質土壌には平均樹齢25年の木が植えられ、それぞれの葡萄品種はセミヨン(90%)、ミュスカデル(3%)、ソーヴィニヨン・ブラン(7%)の割合。厳しい選別によって造られた貴腐ワインはソーテルヌの中でもトップクラスで、熟成を重ねたべっ甲飴色の甘美な味わいは絶品。また平均総生産量の僅か20%程度のみ造られる辛口の”R”(エール)も手軽に楽
しめる白ワインとして多くのファンをもっています。
 ソーテルヌ・アペラシオンの中心部に近づくと、シャトー・リューセックとその見晴らし台が最も高い丘の斜面に見えてくる。ガロンヌ河の左岸を見下ろすファルグとソーテルヌの丘の斜面に広がるリューセックの畑は、イケムに次ぐ標高にある。ボルドーのシャトーとしてはまったく驚きだが、単一区画の畑となっている。 リューセックは常に傑出した評判を得てきたが、1971年にアルベール・ヴュイエールに買い取られてからは、新樽が増えたことと、ボトリティス菌が多いブドウだけを収穫するためにより頻繁に畑に出るようになったことによって、品質がさらに大幅に改善された。
実際に、リューセックの批評家のなかには、ヴュイエールのワインは、熟成すると色があまりにも濃くなりすぎる(たとえば1976年もののように)と主張する者もいた。ヴュイエールは、1984年に、大半の権利をドメーヌ・バロン・ドゥ・ロートシルトに売り、ロートシルトは、リューセックのワインづくりのためなら金を惜しまず、妥協を許さなかった。 その結果、1986年以来、現在ではこのアペラシオンの最高の6本に数えられることが慣例となっている真に深みのあるワインができ上がった。おそらく、裕福なコレクターたちは、この10年間では1988年、1989年、1990年のいずれかが最も深みのあるリューセックを生産した年であると主張するだろう。

(3)Chateau Trotte Vieille  2003
ワイン名:シャトー・トロット・ヴィエイユ 2003
格付け :AOCサンテミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・第一特別級B
生産地 :サンテミリオン村
生産者 :シャトー・トロット・ヴィエイユ(フィリップ・カステジャ)
葡萄品種:メルロー 55%、カベルネ・フラン 35%、カベルネ・ソーヴィニョン 10%


ワインのコメント:
「2003年のトロット・ヴィエイユは長年のうちで最上のトロット・ヴィエイユである事は私のお墨付きだ。当主のフィリップ・カステジャは品質をグレードアップすべく真剣に努力している。選別をより厳しくし、樽内マロラクティック発酵を行い、セラーでの操作を減らしているのだ。この年のワインは賞賛に値する作品となっている。緑いっぱいまで濃いルビー/紫色と、チョコレートと混ざり合ったブラックカラント、チェリー、スパイス箱、香ばしいオークの大柄な、甘いノースを誇っている。ミディアムからフルボディで、素晴らしい甘みがあるのは他より突出したグリセリン(ほかより高いアルコール)があるためだ。継ぎ目のなさや、しなやかさ、享楽的であると同時に知的なスタイルが感じられる。2〜3年年はセラーで寝かせて、その後15〜16年で飲むこと。印象的。」90〜92点 (ロバート・パーカー)
生産者:1453年の文献には葡萄農園と醸造所があったことが記されている。”トロット・ヴィエイユ”と称された醸造所が15世紀には既に存在していた。トロット・ヴィエイユ(老婆の散歩)の名前の由来は14世紀にシャルトルーズ村に住む女性がいたという史実に基づく。このご婦人はボルドー市街に散策することが大好きで、ボルドーからの駅馬車の停車場近くをトボトボと歩いていたという逸話がある。このご婦人は大急ぎで駅馬車に駆け込むことが見かけられ、サンテ・ミリオンの人々は彼女を「トロット・ヴィエイユ」(老婆が歩いている)と名付けたというもの。 葡萄樹木の一部はフェロキセラ禍以前のものもあり、樹齢140年を超える老木もある。
「このワインは純粋な石灰質のテロワールから生み出されるので、トロット ヴィエイユが豪華なまでにリッチなニューウェーヴのサンテミリオンに似てくることを期待してはいけない。惜しみないミネラル分を感じさせる。フィネスと繊細さのあるワインである。サンテミリオンの名高い第一特別級の1つ、トロット・ヴィエイユは、サンテミリオンの東の比較的孤立した場所にあって、土壌は主に石灰質である。1949年以来、ボルドーのよく知られたボリーマヌー社の所有になっている。この会社は、ポイヤックの5級シャトーのバタイエ、ポムロールの成長株のドメーヌ・ド・レグリース、それにそれほど知られていないボルドーのシャトーをいくつも持っている。いささか珍しいことではあるが、トロット ヴィエイユの畑は石壁に囲われた1区画である。このシャトーのワインの目覚ましい品質向上は、おおむねフィリップ・カステジャの手腕によるものだ。厳しい選別、新樽の増加、そして遅い収穫の決定とマセレーションを長くしたことが相当の深遠なワインに結実し、いまやこのアペラシオンの最上のワインに挑むレベルにまできている。」(ロバート・パーカー)

(4)Chateau Clerc Milon 1993
ワイン名:シャトー・クレール・ミロン
格付け :AOCポイヤック  1855格付けメドック・グラン・クリュ5級
生産地 :メドック地区 ポイヤック村
生産者 :シャトー・クレール・ミロン
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン46%、メルロ35%、カベルネ・フラン15%、プティ・ヴェルド3%


ワインのコメント:
縁まで濃い黒/ルビー色をしており、燻煙、バーベキューのスパイス、ブラックベリー、ローストしたコーヒー、チョコレートのエキゾチックなアロマを提供している。深み、噛みごたえ、厚みのある、ジューシーな、このとろりとした舌触りをした、十分な素質のあるフルボディの北メドックは、多分若いうちでもおいしく飲めるだろうが、15〜20年は持つだろう。《ボルドー第4版より抜粋》

 

生産者:このシャトーの畑は、1級シャトーのムートン・ロートシルトと、ラフィット・ロートシルトに隣接する絶好の位置にあります。5級格付けのシャトーの中でも、トップクラスの品質評価を受けるクレール・ミロン。シャトー・ムートンの所有者、フィリップ・ド・ロートシルト家がダルマイヤックと共にこのシャトーを所有しています。畑もこの3シャトーは隣接しており、観光客にはどこで区切られるのか見分けがつきません。シャトー名はかつての所有者クレール家が小村ミロンの畑を買ったことに由来。1970年にロートシルト家が買収しました。
このワインのラベルには一組のダンスをする若い男女が描かれていて、これは結婚式を挙げたばかりの二人だといわれていますが、その楽しそうなラベルの裏には、悲しい愛の物語が秘められている事は、あまり知られていません。このロートシルト家を若干20歳で継いだのがフィリップ男爵でした。フィリップ男爵は最愛の妻リリーと娘フィリピーヌに囲まれ、若いシャトー主として幸せに過ごしていました。 しかし、幸せもつかのま第二次世界大戦によって大きな不幸がフィリップにふりかかりました。ユダヤ系の大富豪であったロートシルト家はナチスドイツからの迫害を受けて、幸せだった一家は離散してしまします。フィリップは難を逃れてフランス軍に、妻リリーはゲシュタボに捕らえられてしまい、娘フィリピーヌは行方不明、ワイナリーも没収されてしまいました。 戦後父と娘は劇的な再会を果たしたのですが、妻リリーは収容所で悲惨な死をとげてしまっていました。フィリップ男爵の悲しみは深く、よほど妻リリーを愛していたのか中々立ち直れなかったそうです。そんな彼を救ったのは二度目の妻ポーリーでした。このポーリー夫人の多方面に渡る活躍でついに1973年に格付け第一級に昇格することが出来たのです。一方、もう一つ所有していた畑では娘のフィリピーヌがこつこつとワインを造り続けていました。それが、シャトー・クレール・ミロンです。そして、このラベルに描かれている二人は結婚直後のフィリップと最初の妻リリーであると言われているのです。楽しそうに二人が踊っているラベルの裏に、この様な悲しい物語を持つワイン、それがシャトー・クレール・ミロンなのです。
「1985年までのワインはしばしば軽く、際立ったところもないものだったが、最近はみずみずしいフルティーな品質や、あり余る量の香ばしい新樽香のほか、昔より偉大な深みと、風味の広がりが出てきた。最近のヴィンテージの品質から判断すると、過小評価されている。」「ポイヤックで最もフルーティで食欲をそそるワインの1つで、一般的に外向的で、かなり早めに飲む必要がある。近年見せている品質レベルから判断すると、特に最良のヴィンテージものなら、四級に格上げされてもよいだろう」(ロバート・パーカー)

(5)Sauterne 2007 Delor
ワイン名:ソーテルヌ
格付け :AOCソーテルヌ
生産地 :ソーテルヌ村
生産者 :デロー
葡萄品種:セミヨン70%、ソーヴィニヨン25%、ミュスカデル5%


ワインのコメント:
濃いゴールドの色味と、蜜に似た上質な甘さ。極甘口といっても、決して甘ったるくはありません。酸味がほどよく加味され、すっきりとした飲み口になっています。その酸味が、舌に残るようなしつこさを消してくれます。そのため、世界中で食後のデザートワインとして愛されています。オススメは、桃やマスカット、完熟メロンといったフルーツや、それらを甘く煮詰めたコンポートなど。桃であれば、少し酸味のある白桃の甘さがぴったりですね。また、フルーツ以外でのオススメは、ハチミツをたっぷりとかけた青カビ系のゴルゴンゾーラチーズ。これをクラッカーに乗せて、「デロー ソーテルヌ」と試してみてください。おつまみもワインも進める手が止まらなくなるくらい、最高の飲み合わせを楽しむことができます。

生産者:「デロー」の歴史は、アルフォンス・デロー(Alphonse Delor)による1864年の設立まで遡ります。「デロー」は、1950年代の終わりまでマコー通りの自社セラーでワインを生産する、ボルドーで最も有名なワイナリーのひとつでした。1973年に、メドックのパランピュイル(Parempuyre)に移転し、1983年にCVBG-DOURTHE-KRESSMANNに買収されました。現在CVBG-DOURTHE-KRESSMANNは、ボルドー最大手のネゴシアンとなりました。設立から130年以上を経た今、「デロー」はボルドーを代表するブランドとして世界中に輸出されています

貴腐ワインとは:成熟したセミヨン種、リースリング種などの、果皮の薄い白ぶどうの表面に貴腐菌が繁殖すると、果皮の表面のロウ質が溶かされ、そこから果実の水分が蒸発します。すると、ぶどうはエキス分(糖分)だけが凝縮した状態の、糖度の非常に高い干しぶどうのような状態になります。これが貴腐ぶどうです。貴腐ぶどうから造られるワインは糖度が高いため発酵は長い時間をかけてゆっくりと進みます。また、ボトリティス・シネレア菌によってグリセリン、グルクロン酸など、さまざまな物質がつくられ、複雑な風味が生まれます。貴腐ぶどうから造られたワイン、貴腐ワインは、極甘口(ごくあまくち)、濃厚でコクと旨味のある、芳香豊かなワインです。特にデザートワインとして珍重されています。貴腐ぶどうを使ったワイン造りが最も盛んに行われているのが、ドイツのライン地方とモーゼル地方(主にリースリング種)フランスのボルドー地方ソーテルヌ地区(セミヨン種、ソーヴィニヨン・ブラン種)ハンガリーのトカイ地方(主にフルミント種)などです。ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、フランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイは、世界三大貴腐ワインと呼ばれています。

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8月14日(金) ブルゴーニュの夕べ
この日お出ししたワインとお食事は以下の通りです。

(1)Cremant de Bourgogne Paul Chollet
ワイン名:クレマン・ド・ブルゴーニュ
格付け :AOCクレマン・ド・ブルゴーニュ
生産地 :ブルゴーニュ(サヴィニー・レ・ボーヌ村)
生産者 :ポール・ショレ Paul CHOLLET
葡萄品種:シャルドネ 100%


◆ワインのコメント:
ミネラル感と果実味の複雑さ。 クリーミーな味わいとやさしい泡。特筆すべきはその泡のきめ細やかさと豊かな香りです。ビン内発酵をゆっくり時間をかけて経ることで上質な泡を生むことができるのです。

◆生産者 :ポール・ショレ Paul CHOLLET
サヴィニー・レ・ボーヌに本拠地を置く生産者。1970年代よりAOCクレマン・ド・ブルゴーニュの承認の為に尽力し、1975年フランスで初めてAOCクレマン・ド・ブルゴーニュを生産したメゾンです。減農薬農法を使い100%自社葡萄で造っています。

Amuse-Bouche
一口オードブル


(2)Chablis 2007  Dm. Louis Moreau
ワイン名:シャブリ
格付け :AOCシャブリ
生産地 :ブルゴーニュ地方 シャブリ地区
生産者 :ドメーヌ・ルイ・モロー Dm. Louis Moreau
葡萄品種:シャルドネ 100%


◆ワインのコメント:
キリッとした味わいのシャブリらしいシャブリ。フレッシュなグレーフフルーツやグースベリーの甘酸っぱさを想像させる香り。鉱物系ミネラルの香りも広がる。ジューシーな果実味、いきいきとした酸味とミネラル感が若さを感じさせる。余韻にはグレープフルーツの皮のようなほのかな苦みがあり、爽やかな印象のシャブリ。
◆生産者 :ドメーヌ・ルイ・モロー Dm. Louis Moreau
モロー家は1814年から現在の地シャブリに居を構えています。樽職人から始め、次にワイン仲買人に携わりました。婚姻により葡萄畑を入手したこともあり、ついに葡萄栽培家となりましたが、ドメーヌの発展は、5代目当主でルイ・モローの父である4代目ジャン・ジャック・モローが世界へ拡販した1970年代から。1994年、現当主ルイ・モローが、ドメーヌ・ルイ・モローを設立し現在に至ります。
ベーヌ村にある礫質粘土の西向きの区画から木樽は使わず全てステンレスタンクでアルコール醗酵、次いでマロラクティック醗酵(リンゴ酸→乳酸)を行い、澱引き後清澄。軽くフィルターをかけ瓶詰めします。


Charlotte d'aubergine et sardines au tapenarde
茄子とサーディンのシャルロット仕立て バルサミコとタプナード


(3)MEURSAULT LES TILLETS 2006 OLIVIER LEFLAIVE
ワイン名:ムルソー・レ・ティエ
格付け :AOCムルソー
生産地 :ブルゴーニュ地方 コート・ド・ボーヌ地区 ムルソー村
生産者 :オリヴィエ・ルフレーヴ OLIVIER LEFLAIVE
葡萄品種:シャルドネ 100%


◆ワインのコメント:
口の中に入ったら最後、膨大なミネラルがすべての結膜を掴んで放さず、微動だにしない。 雄大にして繊細、堅牢でいて優雅、そして恐ろしいほど非妥協的で厳格。  これだけ力強いのに、余裕を感じさせる軽やかささえ備える。 レモン的な香りだが、後味は案外とトロピカル。退廃的でけだるいニュアンスが前面にでていて、アルコール感やボリュームも強め。
ワイナート47号「モンラッシェ特集」で98点

◆生産者 :オリヴィエ・ルフレーヴ OLIVIER LEFLAIVE
ドメーヌ・ルフレーヴの名声を築き上げた、故ヴァンサン・ルフレーヴはブルゴーニュ地方における白ワイン造りの伝説的存在となりつつある。その甥であるオリヴィエはワイン造りに関わらず、ミュージシャンとして独自人生を歩んできた。その彼が自分自身のワイン造りを営むことを決意したのが1984年のことだった。 しかし彼が目指すワインのスタイルは決して自己主張の強い物ではなく、尊敬するヴァンサン・ルフレーブが造っていたワインに限りなく近い、エレガントなスタイルと言える。 
もともとネゴシアンとしてのイメージが先行しているオリヴィエ・ルフレーヴだが、所在地であるピュリニー・モンラッシェ村のグラン・クリュをはじめ、10ヘクタールにもおよぶ自社畑も所有している。また、ネゴシアンとして買いつける葡萄は、特定の契約栽培者としか取引せず、1989年から醸造責任者に就任したフランク・グリュクスが責任を持って選定、栽培、醸造までの一貫した管理を行っている。従って、ネゴシアン・ブランドで出荷されるワインは自社畑のワインと比べて大差はなく、安定した品質を保っている。
オリヴィエ・ルフレーヴのワインは優しく、気品に満ち、繊細である。そして何よりもテロワールの個性がはっきりと味わいに反映されている。


Escalope de Bar Sauce beurre blanc au MATSUTAKE
スズキの薄切り マツタケ風味の
バターソース


(4)Mazoyeres-Chambertin Grand Cru 1998 Camus Pere et Fils
ワイン名:マゾワイエール・シャンベルタン・グラン・クリュ
格付け :AOC マゾワイエール・シャンベルタン・グラン・クリュ
生産地 :ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ地区 シャンベルタン村
生産者 :ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィス Camus Pere et Fils
葡萄品種:ピノ・ノワール 100%


◆ワインのコメント:
オレンジの色調が強い赤、色の濃さはやや薄い、縁はブラウン系の色
香り 錆びた鉄の香り、熟成香有り
味 辛口、ミディアムボディー、果実味に熟成感が有る、酸味が有るが優しい、タンニンは穏やか、熟成したうま味あり、余韻が強く長い
味や香りの変化 やや青草の風味、梅の風味
総評
ちょうど良い熟成感、若いブルゴーニュには無いうま味のある酸味、そして気持ちの良い余韻。繊細さが増し、熟成具合も以前よりよくなっている。またまれにみるほど十分なボディと見事に調和の取れた風味が共存している。今日のみならず、将来にわたって評価されうる傑出した偉大なブルゴーニュといえる。オーク樽熟成14〜18ヶ月(新樽使用せず)。

◆生産者 :ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィス Camus Pere et Fils
1830年にジョセフ・カミュによって設立されました。
現当主ユベールは孫に当たり、現在所有する16.8haからなる畑の約2/3は特級畑となっています。
ジュヴレ最大の地主の一人で、1981年から2004の長期間、INAO(Institut National des Appellations d'Origine)の地域代表を務め、地元人の人望も厚く、責任感の強い人物です。

このドメーヌでは、生産量の約70%をドメーヌ元詰めし、残りはネゴシアンに販売。現在は、娘のエディーとの二人三脚でドメーヌを運営しています。 ユベールのワイン造りはいたってシンプル。発酵時の温度調節機の導入はされたが、基本的には約50年間何も変わっていません。 40年を超える葡萄樹から生まれる健全な葡萄は、収穫後100%除梗され、1週間から10日の一時発酵を行います。
ルモンタージュ(色素やタンニンを効率よく抽出するため、ポンプを使用し発酵槽の下の方からワインを抜き果帽の上にかけ、発酵槽の中のワインを循環させること。ボルドーで主に行われる)とピジャージュ(発酵槽の上から棒や人間の足を使って果帽を沈めたり、かき混ぜたりすること。人力に頼る)を1日1回行い、ユベールお気に入りの1920年製のプレス機でゆっくりプレスされたワインは、15〜18ヶ月樽熟成。 新樽の比率は平均で25%(グランクリュは50%)。出来る限りシンプルに、人為的介入を最小限に抑え、1つ1つの作業を丁寧に行うことで、ブルゴーニュのシャンベルタンの威厳が生まれるとのことです。


Canard de Challans roti
シャラン産 鴨胸肉のロースト


(5)Chambolle Musigny1995  Dujac
ワイン名:シャンボール・ミュジニー 1995
格付け :AOCシャンボール・ミュジニー
生産地 :ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ地区 シャンボール・ミュジニー村
生産者 :ドメーヌ・デュジャック Dm.Dujac
葡萄品種:ピノ・ノワール 100%


◆ワインのコメント:
「色は明るいのに、味は濃い」というのがデュジャック評ですが、熟成を重ねるほどに怪しい妖艶さが滲み出てくるのもデュジャックの特徴。1995年ヴィンテージのシャンボール・ミュジニーです。「デュジャックがシャンボール・ミュジニーなんて造ってたの」と驚かれる方も多いと思います。驚かれるのも無理はありません。0.5ヘクタールにも満たない小さな区画から、わずかばかりの本数しか造っていませんから目にする機会もほとんどないのです。デュジャックが所有しているのはドラゼイと呼ばれる区画で、ボンヌ・マールの下の方にあります。モレ・サン・ドニの骨太さとシャンボール・ミュジニーの優美さを兼ね備えた贅沢なワインとも言えます。
比較的若いうちから香りが華やかに開いてくれるデュジャックのスタイルですが、長く寝れば寝るほどに本領を発揮するのもまたデュジャックのスタイルです。まるで柳の木のように、どんなに曲げても決して折れることのないしなやかさが印象的なデュジャックのシャンボール・ミュジニー。繊細な肢体なのに力強く、ワインが唇に触れた瞬間から喉の奥まで一瞬でスルスルスルッと通り抜けていくのに、香りはいつまで経っても消えることがありません。

◆生産者 :ドメーヌ・デュジャック Domaine Dujac
<ワイナリーの歴史>
ジャック・セイス氏が一代で名声を築いたモレイ村の伝説的なドメーヌ。設立前、66・67年の2回の収穫をヴォルネィのプース・ドールの醸造家、ジェラール・ポテル氏の元で経験し、68年5月、モレ・サン・ドニ村のドメーヌ・グライユを買収してデュジャック(ジャックのドメーヌの意)と名付けました。 
当初僅か4.5haでスタートしたドメーヌは少しずつ畑を買い足し、現在13ha弱を所有する。ドメーヌ発足後5年間は、父の会社に残って「2足のわらじ」を続けていたが73年からは完全にブルゴーニュに移住、僅か十数年で今日の確固たる名声を築き上げました。
<特 徴>
薄い色合いと、キメ細かくも量の多い酸味によるバランスといった先入観に翻弄され、ともすれば「薄いワイン」と感じかねませんが、新鮮な果実味とそのエレガントなタッチの裏にある複雑性、大きな骨格を見て取り、その奥行きの深さ、緻密さ、熟成のポテンシャルを感じ取ることができます。 
<ワイン造り>
収穫量を減らすために剪定に気をつけるほか、芽を一株に付き6つ(規定上は8つまで)しか残さないなど厳しく制限しています。葡萄は除梗・破砕せずにそのままコンクリートタンクに入れられ、温度が30℃を超えないように気を付けながら15〜17日間かけて発酵されます。熟成の新樽率は少し高めで、ACブルゴーニュクラスは20%未満と少ないものの、村名クラスで70%、1級で80%、グランクリュで95%。14〜16ヶ月熟成されますが、その途中でワインの様子を見ながら1〜3回の澱引きされます。清澄だけでなく、濾過も一切されていません。


(6)MARC DE BOURGOGNE FAIVELEY
ワイン名:マール・ド・ブルゴーニュ MARC DE BOURGOGNE
格付け :AOCマール・ド・ブルゴーニュ
生産地 :ブルゴーニュ地方 
生産者 :フェヴレ FAIVELEY
葡萄品種:ピノ・ノワール 100%


◆ワインのコメント:
約5年の樽熟成を経て瓶詰めされます。白葡萄を用いるコニャック・アルマニャックとはまた異なる、独特の香味が楽しめます。その長い熟成により、本来の強烈な個性はそのままに、信じられないようなふくらみとやわらかさを持っています。

◆マールとフィーヌ:マールは、正式名を「オー・ド・ヴィー・ド・マール」といいます。
マールとは、葡萄の絞りかすを蒸留して造るブランデーです。通常ブルゴーニュ地方とシャンパーニュ地方のものは、樽で寝かせますが、アルザス地方のものはタンクで寝かせますので、イタリアのグラッパに近いニュアンスを持っています。これに対してワインをつくるときにできるオリから作られるものはフィーヌ・ド・ブルゴーニュFINE DE BOURGOGNEと呼びます。こちらの方が上品な味わいがあるようです。ワインをつくっている農家では、こうした蒸留酒をつくる材料があるわけですが、余りつくっていません。
農家の人たちが言うには、こういう蒸留酒には税金がたくさん課せられるので原価が高くなる。ところがマールにはコニャックのように高級酒というイメージはないので、そう高い売値もつけられない。それで、小規模生産では作るだけ無駄となるのだ、とのこと。


◆生産者 :フェヴレ FAIVELEY
「フェヴレイ」はニュイ・サン・ジョルジュに本拠を置く1825年 に創立されたネゴシアンです。
ネゴシアンと言っても所有する畑の面積は1社としては、ブルゴーニュ最大の120haになります。更に他の栽培家からの 買い付けして醸造するワインは全体の2割程しかない為、ネゴシアンというよりもドメーヌに近い存在です。 所有する120ヘクタールにおよぶ広大な地所はほぼモレ=サン=ドニ全体に匹敵し、ブルゴーニュ地方で一、二を争う大ドメーヌというのが実際の姿で、8つのグラン・クリュに15銘柄のプルミエ・クリュを擁し、産するアペラシオンは50に上ります。
初代ピエール・フェヴレにより、ニュイ=サン=ジョルジュの町に1825年設立されたフェヴレ社ですがが、ブルゴーニュ・ワインに果たした役割は単に一ネゴシアンというにとどまりません。1929年、米国に端を発した大恐慌の渦は遠くこのブルゴーニュ地方にも波及し、当然ワインも売れなく、多くの農村は疲弊に喘いでいました。現当主エルワンの曽祖父にあたる4代目のジョルジュは、そんな窮状を打開しようと友人とさまざまなアイデアを実行に移し、1934年には、現在ブルゴーニュ地方で最大の親睦団体となっている、ラ・コンフレリー・デ・シュヴァリエ・デュ・タストヴァンの設立にこぎました。また村毎におこなわれていたサン=ヴァンサンの祝祭も各村の持ち回りとして一大イヴェントに仕立て上げるなど、今日に続くブルゴーニュの隆盛のもとを築きました。



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